平成が始まるころ

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あまりよく覚えていなかったけれど、あれは1989年、つまり平成元年だったのか。

31年前、ヒマラヤに行こうと友人が言い、一緒に山行計画を立て始めた。大学2回生(1988年)のたしか夏頃から準備開始。インターネットが一般的ではなかった当時、それぞれできる限りの情報収集をすることに。

ヒマラヤ調査経験のある教授(植物生態学)の部屋に押しかけ、現地の気候・山のルート情報・食料事情のほか、Kathmanduの安くて親切な宿まで教えていただけたことは幸運であった。

現地情報をより知るために、秋頃だったか大阪にある日本ヒマラヤ協会へ2人で行った。お金がなくて原付バイクで高知市から四国山地を越えて。山の中で自分のスクーターがガス欠になり、ホースもカップも無かったので友人のバイクDT50を逆さまに持ち上げて無理矢理 給油したことを覚えている。

パーティメンバーを募り計3名になった。最強メンバーだ。山行計画が具体化し、旅費を稼ぐために冬のアルバイトにも励むことになる。1989年1月、元号は昭和から平成へ。

 

2/15までにコレラの予防接種を受けた後、高知を出発。2/20 大阪で予防接種完了。2/22に出国し、Bangkokを経由して、2/23にKathmanduに到着。途中、航空機の窓から見えたGanges(ガンジス川)とBramhaputra(ブラマプトラ川)がかっこよすぎてかっこよすぎて。

 

Kathmanduでは、メンバーの一人がMomo(モモ;餃子のような食べ物)を大量に買って宿に戻ってくる事件が発生。1ダース5Rsを1個5Rsと間違えたらしい。「コーラつけますから一緒に食べてください」と言われても、テーブルにどっさり置かれたMomoはなかなか減らない。食い地獄。

KathmanduからJiriへ、クッションの悪い古いバスにぎゅうぎゅう詰めで11時間。2人がけの椅子に肩幅広めの男3人が無理矢理座るので扇形のようになる。キツイ。Jiriに到着すると、なんとメンバーの一人がTrekking Permitをカトマンズに忘れてきたと言う。往復2日間待つことにする。が戻ってきたのは3日後の夕方であった。

山行中は宿で食事をさせてもらった。ある日のメニューはこんな感じ(数値の単位はRs)。

    <朝食>

  • Chapati with honey 6
  • Milk Tea 4
    <昼食>

  • Dal Baht with Tarukari 25
  • Milk Tea 4
    <夕食>

  • Boiled Potato 10
  • Fried Rice Vegetable 20
  • Sherpa Stew 8
  • Boiled Egg 8
  • Milk Tea 4

KathmanduからLuklaまで、飛行機なら1時間もかからない距離を、約1週間かけてバスと徒歩で移動したことになる。広大な景色のなかで、ゆったりとした気分になっていく。宿で読んだ日本語本に「我々が今まで追ってきた便利さ、効率、点数化、物量化といった価値観を考え直す時がきたのではないか」という文があり頭の中をぐるぐる巡る。

Namche(3441m)を出発すると、小雨が雪になり、周りが真っ白になっていく。素晴らしく綺麗だ。でっかいヒマラヤがみえてくる。Ama Dablam(6856m)が眼の前にそびえたつ。遠くに白く輝くNuptse(7861m)やLhotse(8516m)が見えてくる。

シェルパやポーターを頼まず、荷物はすべて自分たちで背負って歩いた。みんなアタックザックを使っているのに、我々はキスリングを背負う。通りすがりの欧米人トレッカーから「Funny Bag!」とおもしろがられることも。「Naomi Style!」と言われたこともあった。あの”Naomi”は “Naomi Uemura”のことだったのだろうか。

地図をみながら、Imja Khora(イムジャ川)からKhumbu Glacier(クーンブ氷河)沿いを歩いていった。Kala Pattar(5545m)の丘から、Sagarmatha(Chomolungma, Everest;8848m)を眺めたのは3/18だった。

3/21 Luklaに到着。3/23にはLuklaからKathmanduへ。3/24から自由時間とし、Nepal出国まで、それぞれ行きたい場所へ訪れることにする。私はインドとの国境近くの国立公園へ。

3/30 Kathmanduを出て、4/1成田空港に到着。約1.5ヶ月間の濃厚な山旅であった。

ヒマラヤ現地情報を教えてくださった教授が先月定年退職となり、最終講義に出席したことがきっかけで、突然31年前のことを思い出してしまった。そうか、あの山旅に行ったのは平成元年だったのかと。いつかまた皆でビールを飲む時に思い出してゲラゲラ笑うことになるだろう。

本日、平成が終わり、令和へと変わる。

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