幕末から残る木造高床式平屋の建造物。若衆宿や櫓ともよばれる。
はしごをかけて上って入る仕組みになっており、地面には力石が並べられている。昔、若衆(ワカイシ)は小学校を終えるとこの泊屋で宿泊し、集落の警備、盆踊り、祭りなどに参加していったらしい。
若衆宿はどうやら南方系の文化らしく、かつては薩摩から紀伊に渡る広い範囲にあったほか台湾でもみられたようだ。高知県幡多地域にも百数十箇所にあったが、明治時代には公会堂などに建て替えられ、現在では宿毛市芳奈に4箇所が残るのみとなっている。
最も有名なのは「浜田の泊屋」(国指定重要有形民俗文化財)。そのほかの「下組」「靴抜」「道ノ川」の泊屋もとても良い雰囲気をだしている。民家のすぐそばにあって、日常のなかに溶け込んでいる。少し補修を施した泊屋もあったりして。